人材を生かす名社長対談シリーズ
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 奥田陽一代表取締役社長
奥田陽一代表取締役社長
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武原誠郎イムカ株式会社社長
サン、シスコを日本に導いたグローバルSIer エンジニアスキル認定で技術向上支援
「企業は人なり」を地で行く産業こそが情報サービス産業である。エンジニアをサポートするツールや技術は数あれど、依るべきところは個の能力と、その集積によるプロジェクトチームの開発力である。企業はエンジニアのスキルアップとキャリアアップを通じて、企業体としての力を増強する。業界トップクラスの事業規模と開発実績を誇る伊藤忠テクノソリューションズの“人財力”はいかにして育まれたか、人材サーチ大手のイムカとのトップ対談を通じて明らかにする。
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技術の追求に向上心を燃やす技術者を正当に評価する

武原氏

情報サービス業界は長年、人材不足に陥っています。
御社は2007年のテーマとして「飛躍」を掲げていますが成長の原動力となる人材の採用に関してどのようなアプローチを取っているのでしょうか。

奥田氏写真
奥田氏

会社にとっては人材こそが財産で、中でも情報サービス業では特に大事になります。それだけに当社は徹底して採用に力を入れています。新卒、キャリア(中途)採用どちらもです。キャリア採用に関して言えば、即戦力となる人材を中心に、年間300名程度の採用を行っています。

武原氏

弊社イムカはCTC(伊藤忠テクノソリューションズ)と1972年の創業以来、35年もお付き合いさせてもらっています。これまで130名のエンジニアを紹介させてもらいましたが、中には要職に付かれている方もいると聞いております。このように中途採用者をCTCに取り込んで即戦力とするための具体的な施策が何かあるのでしょうか。

奥田氏

まず当社の社風を理解してもらうために必ず集合研修を行います。それから個々の能力に対して正当な評価を行うための仕組み作りも行っております。キャリア採用の場合は、すぐに課長や部長というような役職を付けることも少なくありません。技術者は職人気質の方が多いので年齢云々ではなく何よりもスキル・能力を評価される環境を喜びますから。

武原氏

その評価方法とは具体的にどういったものでしょうか。

奥田社長・武原社長写真
奥田氏

社内にスキル認定委員会を設置しております。技術者の取得資格や開発経験、実績などをベースに評価を付けます。技術者の中には組織の長になることよりも、純粋に技術の追求に向上心を燃やし続たい方もいるので、その評価を報酬に反映させます。これ以外にユニークな取り組みとして、この4月には特定技術や業務アプリに関する開発力を評価された21名の技術者をスーパーエンジニアとして選出しました。

武原氏

御社はサン・マイクロシステムズ(以下サン)やシスコシステムズ(以下シスコ)など、今では世界有数の企業として知られる企業が、まだガレージで製品開発を行っているような時期に目を付けて、いち早く日本に紹介してきましたね。このようにシリコンバレーの振興ベンチャーとの付き合いが特に深いとなると、国際交流経験のある人材が特に必要となるのでしょうか。

奥田氏

ロゴアメリカの技術や製品を紹介するという分野を一つ切り出せば、やはり英語が使える人材が重宝がられます。ですが当社はシステムインテグレーションを主体にして技術を販売している企業ですので、英語ができればいいというものでもありません。何よりも語学力は後から身につけることが可能です。当社では今年から語学力と異文化コミュニケーションの強化を目的として、海外派遣研修を開始して、1月に7名が渡米しました。年間20名の海外派遣研修を行っていきたいと思っております。このようにスキルアップが図れる仕組みを用意できれば、それを利用して人はいかようにも成長できます。ですから当社としては技術や語学力、コミュニケーション能力などはもちろん大事なのですが、何よりも「キャリアを上げたい」という向上心があるかないかを見定めて採用しています。

採用において国籍・性別などに捕らわれない

武原氏

御社の特徴として外国人の採用に関してはどのようにお考えでしょうか。

武原氏写真
奥田氏

現状で言えば採用実績は正直、それほど多くありません。ですがこれから増やしていきたいと思っております。ただ世間で言われているような“人材不足を補う”ための外国人採用は考えておりません。あくまで能力、向上心ある方の採用に限ります。外国人でも日本人でも女性でも男性でも採用条件はいっしょです。

武原氏

そういえば御社では女性の登用に積極的ですよね。独自の登用制度を設けて活躍の場を広げていらっしゃる。

奥田氏

今年1月にダイバーシティ推進課という部署を設置して女性を課長に置きました。メンタリング制度を設けて、女性が働きやすい環境作りを推進してもらっています。アメリカでの投資活動や技術の発掘を行うグローバルな企業を標榜する当社で、男性優位というような古き日本の慣習が残っているとすれば大きなマイナス要因となりかねません。そうした課題を解決して企業を成長させていくためにも女性にどんどん活躍してもらいたいです。

武原氏

さすがは洋の東西なく有力なベンチャーを発掘してきた企業。
人材に対しても固定観念に捕らわれず独自の“目利き”を行っていたことがよく分かりました。飛躍を続けることを期待しています。

奥田氏

今日はありがとうございました。

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